諫早干拓訴訟佐賀地裁判決に関する会長談話

佐賀地方裁判所は、本日、国に対し、諫早湾干拓事業(以下「本件事業」という。)で作られた潮受け
堤防の南北排水門の常時開放(以下「開門」という。)について、判決確定から3年以内に開門し、以後
5年間にわたって開門を継続することを命じる判決を出した。

1997年4月の潮受け堤防閉め切り以降、「有明海異変」と呼ばれる重大な海洋環境の変化のなか、
2000年のノリ養殖業の歴史的な大不作を始めとして深刻な漁業被害が生じており、その被害は年を
追うごとに深刻になっている。

本判決は、潮受け堤防による閉め切りと諫早湾内及びその近傍における環境変化との間の因果関係
について、相当程度の蓋然性の立証がなされていることに加え、国が中・長期開門調査を実施しない
ことは立証妨害と同視でき、訴訟上の信義則に反するものと評価して、因果関係を認め、漁業被害の
回復のために、前記のような開門を認めたものである。

当連合会は、本件事業に関し、1997年5月以降、会長声明及び意見書をそれぞれ2度にわたり発表
して、排水門を開放し堤防内に海水を導入すること等を求め、また、本件事業の差止めを求めた仮処分
申立て事件についても、2度にわたり会長声明を発表して、本件事業の中止と諫早湾干潟と有明海の
真の再生が一日も早く実現することを強く求めてきたところである。

本判決は、当連合会が求めてきた開門を命じるものであり、当連合会は、これを高く評価する。

当連合会は、国が控訴を断念し、本判決に従って、ただちに開門の準備に着手し、有明海再生のための
第一歩を踏み出すことを強く求めるものである。

2008年(平成20年)6月27日

日本弁護士連合会
会長 宮ア 誠

★国は潮受堤防の北部及び南部各排水門を5年間常時開放せよ。

★防災機能代替工事のため、判決確定から3年間は解放を猶予する。

★堤防締め切りと有明海全体の環境変化の因果関係は認められないが、諫早湾内については
  相当程度立証されている。

★国が中・長期の開門調査に協力しないのは、漁業者らへの立証妨害である。

★排水門開放で農業生産に支障が生じたとしても、漁業行使権侵害に優越する公共性、公益上の
  必要があるとは言い難い。

日弁連会長声明 2008.6.27

佐賀地裁、諫早湾の開門を命令 08.07.21更新

農水大臣が控訴しました。 
福岡高裁での控訴審に、戦いの場が継続します。



地元諫早の商店街でのリレートークで、裁判支援のビラ配り、募金をしました。

募金の金額は6,054円。時津さんを通して漁民市民ネットに寄付します。

トークのメンバーは高村、荒木、松田、大島。救済本部の山下八千代さんが初めて。

同東京事務所の陣内さんもはるばる駆けつけて、農水省とのやりとりを披露

してくれました。

応援団には立川、時津、山崎夫妻、中路さん。

佐賀の判決を受けて、「やっぱり、開けんばいかんよ。」と嬉しそうに声を掛け

てくれる人が増えました。

確実に潮目は変わっています。

      

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判決要旨(08.06.27判決)