中尾勘悟 写真展 「海のにほひ」
 
2004.11.13から 諫早市アエル広場にて
    

プロフィール と メッセージ

1933年 佐世保市に生まれる。
1952年 大村高校卒業 長崎大学に入学 山岳部に所属 写真を始める
       大学卒業後教職に就く。
1970年 アフガニスタンのヒンズークシ登山隊に参加、少女の写真が県展入賞
1973年 諫早湾を訪ね、野鳥、干潟、漁、沿岸の人々にもレンズを向ける。
1989年 写真集「有明海の漁」を出版
       記録映画「干潟のある海・・・諫早湾1988」の製作に参加
1990年 教職を退く
1994年 記録映画「生命あふるる干潟の海・・・有明海」の製作に参加
1995年 1997年にかけて日本写真家協会(JPS)の公募展に「有明海の印象」「閉ざされた海・諫早湾」入選
1996年 季刊誌FS(FUKUOKA STYLE)Vol.16「有明海大全」の企画に参加、写真提供
1998年 「日本民族写真大系」第6巻「東シナ海と西九州」に写真提供
1999年 東彼杵町歴史民族資料館で写真展「海のにほひ」開く
2000年 モノクロールで構成した写真展「閉ざされた海・諫早湾その後」を長崎のギャラリー喫茶「アレンジ」         で開く
       写真展「有明海」を佐賀新聞社文化ホール、伊万里市民図書館で、その後2年間佐賀市図書館、柳       川市の福祉施設「水の郷」などで開催
       「日韓共同干潟調査」に参加、3年間4回韓国南西海岸の干潟と漁村の暮らしを撮る
2001年 NHK新日曜美術館・東松照明の世界「ながさきマンダラ」の現地ロケ(諫早湾)の案内
2002年 NHK出版の「詩をポケットに」の表紙と口絵写真担当、諫早出身の詩人伊東静雄ゆかりの地を紹介
2003年 大村市まちかど市民ギャラリーで写真展「海のにほひ」・大村湾の漁とくらしを紹介
2004年 写真展「まえうみ(有明海)の漁とくらし」を道の駅鹿島で開催、この写真展とあわせて鹿島市の干潟      体験のパネル展を朝日新聞東京本社で開催
      「海のにほひ」・・・有明海の漁とくらし・韓国の干潟・・・を大村市まちかど市民ギャラリーで開く 
   
            メッセージ

写真展「海のにほひ」を開くにあたって

 諫早湾の小野島の堤防にはじめて立ってから、もう三十年がたちました。当時は野鳥を撮影するために通いはじめたのですが、野鳥の撮影には最満潮時の一時間あまり前に行くのが常識でした。たまたま余裕をもって少し早く行くと、たいてい沖から潮に追われるように、はね板を繰って獲物や待ち網を乗せた人たちが戻ってくるのに出会い、おのずと興味の対象は、野鳥から干潟漁に移っていきました。その後沿岸各地を回り、漁船にも乗せてもらって撮影するようになり、諫早湾の豊かさと漁法の多様さに心を惹かれるようになりました。
 当時南総計画(後に諫早湾干拓事業)をどうするかで世論は別れ、その成り行きにが注目されていました。そこで今記録しておかなければ、後で後悔することになると思うようになり、三年くらいかけて竹崎から島原半島の多比良までの海岸線のほとんどを踏破しました。
その後幸か不幸か勤務地が国見町に移り、ますます有明海についての情報が入るようになり、島原・口之津、・天草・三角・宇土半島・熊本・長州・大牟田・柳川・佐賀・鹿島・などへ足をのばすようになりました。数年かけて有明海を似三回まわり、平成元年夏、写真集「有明海の漁」葦書房刊を自費出版しました。
 翌年職を退き、映画制作、ハウステンボス、建材卸しの会社など職を転々としながら、有明海にこだわって、漁とくらしと風物を撮り続けてきました。また、十年ほど前からは、故郷の海・大村湾や橘湾の漁と風物も撮るようにしています。
 今年の二月、鹿島市七浦の干潟体験事業部を訪ねたのがきっかけで、急に写真展「まえうみ(有明海)の漁とくらし」を道の駅鹿島で開くことが決まり、世界自然保護基金(WWF)ジャパンの口ぞえでパナソニックの協賛が決まり、四月中旬から五月三十日のガタリンピック当日まで、作品を入れ替えながら展示をしました。
 幸運にも道の駅鹿島での展示が発展して、七月三十一日から八月十二日まで、朝日新聞東京本社の展示ホールで有明海の写真展を開くことができました。有明海と諫早湾の漁を記録しようと思い立って二十数年目にして、ようやく東京展が実現したのです。ひとえに沿岸の漁業者をはじめさまざまな方々のご協力のお陰と感謝しております。
 今後は有明海異変についても、撮影と聞き取りを続けるなかで、微力ながら改善策をさぐっていこうと考えているところです。写真展を見に来た方々の感想に「豊饒の海・有明海はいずこと思っていたら、この会場にありました。昔の豊かな海に戻ることを祈ります」とありましたが、私も有明海の再生を願って、体力と気力があるかぎり記録を続けてゆきます。

                                    2004年11月13日
                                           中尾勘悟
                                     大村市東本町416

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海のゆりかご (07.1.15 更新)
  2007.01.19〜28 
  九州大学大橋サテライトLUNETTE(福岡市/西鉄大橋駅下車徒歩2分)
  中尾勘悟写真展 ありあけレストラン 市民セミナー「宝の海・有明海の秘密ーそれは”濁ったみず”」
  「守りたい!海のゆりかご〜有明海の夜明けを迎えるために〜」など
  詳細は九州大学総合研究博物館のサイトへどうぞ 
有明の海にこだわる 中尾勘悟のサイト(07.03.05更新)