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参議院選挙立候補者へのアンケート結果 

2004年参院選 有明海沿岸4県選挙区立候補予定者への
諫早湾干拓に関するアンケート

 諫早干潟緊急救済本部と同東京事務所では、次期参議院選挙における有明海
沿岸4県選挙区からの立候補予定者に対して、諌早湾干拓事業や中・長期開門
調査問題などに関する政策アンケートを実施しました。6月7日アンケートを
送付した16人中、18日までに11人から回答を得ることが出来ましたので、
その結果を公表いたします。

■質問事項

1.有明海異変(近年のノリ不作や漁業不振、赤潮の多発など)との関連性に
  ついて
   a)諫早湾干拓事業の影響は軽微であると考える。
   b)諫早湾干拓事業の影響は重大であると考える。
   c)わからない。
2.農水大臣が表明した中・長期開門調査見送りの判断について
   a)大臣の判断通り、中・長期開門調査は実施すべきではない。
   b)見送りを撤回し、中・長期開門調査を実施すべきである。
   c)わからない。
3.中長期開門調査の代替策(閉門したままでの海況調査、有明海での海底耕
  耘や作澪、湧昇流施設設置による環境改善の実証、浄化装置設置などによ
  る調整池の水質対策)について
   a)代替策で有明海異変の解明と環境回復が十分に期待できると思う。
   b)代替策では有明海異変の根本的な原因解明や環境回復は難しいと思う。
   c)わからない。
4.諫早湾干拓事業の今後のあり方について
   a)2006年度の完成を目指して計画通り進めるべきである。
   b)工事は凍結し、抜本的な見直しを行うべきである。
   c)わからない。
5.上記の回答や、諫早湾干拓事業に関してコメントがありましたら、300字以
  内で自由にお書きください。(回答は任意)
  ■各立候補予定者の回答全文

【福岡県】
●石原倫理(維新政党新風)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 水俣病をはじめとする公害問題において明らかになった事は、人間中心の社
会では、人間その物が、滅びるのであって、他の生命との共成する人類社会の
基本でなくてはならないという事であった。諫早干拓は、この反省をまったく
度外視した暴挙である。

●江藤邦宏(無所属・社会民主党推薦)
問1:c →栄養塩の問題やダム等との関連について考慮すべき。
問2:b
問3:b →策そのものの明確な内容や方策が示されていない。
問4:c →工事の大半が完了している現状をどうとらえるのか。
 有明海の再生を図るには徹底した原因究明を行い、その方策を樹立し実行す
ることが必要不可欠と考える。漁業者・県民は中長期開門調査の代替策につい
ても具体的内容や範囲の明確な説明を求めている。にもかかわらず農水大臣の
最終判断は調査検討会議や専門委員会提言とも乖離したものであり、不安と危
機感を募らせるものでしかない。漁業者等に対する説明責任を明確に果たすよ
う強く求める。又、干拓事業のあり方は現段階で凍結する是非を総合的見地か
ら議論を行うべきと考える。
 なお、今回のアンケートは有明海の再生を願う一員として、二者択一的回答
を求めたものであり、回答しづらいことを指摘しておく。

●大久保勉(民主党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 中長期の開門調査を即時実施すべきであると考えます。

●津野豊臣(日本共産党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 中・長期開門調査の見送りを決めたことで、農水省が「完成さきにありき」
で工事を強行しようとしていることがいよいよ浮き彫りになりました。漁民の
みなさんの海上デモにも参加して、「宝の海」を台無しにする諫早干拓の理不
尽さを心から実感することができました。
 世論をいっそうもりあげ、何としても中・長期開門調査を実施させるために、
私も頑張りたいと思います。そして多額の政治献金とひきかえに推し進められ
てきたムダな大型事業優先の政治をおおもとから切りかえ、有明海再生のため
に力をつくしたいと思います。

●藤本 豊(無所属)
問1:c 問2:b 問3:c 問4:c
 公共工事の目的を再チェックする必要があると思う。地域住民の賛否を重要
と考えなければならない。とかく公共工事は一部の政治家や、地元の工事屋さ
んが利益を不正に求める傾向がある。不正なく住民の多くが賛成ならば、それ
は尊重されるべきである。たとえ干拓事業が失敗に終っても住民の決定事項な
らば、くいはないと思う。
 (国家の宝は国民である。国民住民尊重主義者です)

●古川 忠(無所属)
無回答

●吉村剛太郎(自由民主党)
無回答


【佐賀県】
●岩永浩美(自由民主党)
無回答

●川崎 稔(民主党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 海底耕運などの対症療法的な対策よりも、やはり抜本的な原因究明を行うた
めに、第三者委員会の答申した中・長期開門調査の早期実施を求めていくこと
が先決だと思います。科学的客観的な原因究明作業を進めた上で、その結果を
踏まえて有明海再生のために所要の措置を講じていく、という手順が必要だと
思います。また、中・長期開門調査を出来ないことについて、政府・与党は説
明責任を果たしていないと思います。諫早湾干拓事業は費用対効果も0.83で、
完成すれば430億円の赤字だと農水省自ら発表せざるを得ない状況です。漁業
者や市民の皆さんの声にしっかりと耳を傾け、私たちの「宝の海、有明海」を
取り戻すために全力を尽くして参ります。

●武藤明美(日本共産党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 ノリ不作がおきる前から、タイラギが不漁となり、私は県議会で諫早湾干拓
事業の中止と、水門開放、有明海再生に、一貫して取り組んできました。農地
造成という事業目的は、これまでの間に次々と変更され、本来の事業目的を失
いました。ムダで環境破壊の大型公共事業の典型ともいえる諫早湾干拓事業は
中止すべきです。有明海再生のためにも中・長期開門調査は、全ての漁民が求
めており、国の第三者委員会でもその必要性を指摘しています。今回の亀井農
水大臣の見送り発言には納得いきません。有明海の漁民・市民が共同して「よ
みがえれ有明海」の訴訟がおきていますが、私も豊かな有明海をとり戻すため、
原告の一人としてがんばっています。

【長崎県】
●犬塚直史(民主党)
問1:b
問2、3、4はa・b・cに当てはまらない。コメント参照。
 40年間、2000億円以上の税金を投入し、今だに事業の理念が見えない国営諫
早湾干拓事業は、残念ながら、無駄な公共事業、環境破壊の代名詞となってい
る。世紀の失敗事業であり、どんな強弁をしても政治の責任を免ることはでき
ない。しかしながら、7kmの汐受け堤防を壊し、新たに環境に配慮した防災工
事を行うことは、現時点では許されない。であれば、賛成・反対の二元論に陥
ることなく、将来のビジョンを描くべき。700町歩、イサカン農地には一度も
農薬散布されたことがないことに注目。有機JAS取得を条件に県が土地を賃貸
し、流通・販売を援助する。有明海の再生にも、下水整備、河川工事見直し、
山の手入れ、海洋資源保護も含めた総合的な取り組みを行うべき。

●原口敏彦(日本共産党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 諫早湾干拓事業を容認している長崎県内のある漁協所属の漁民は、政府から
補償金をもらったけど、これほど海がひどくなるとは思わなかった。補償金を
もらっているので物は言えないが、中・長期開門調査はぜひやってくれと云っ
ています。有明海沿岸の佐賀県では、潜水漁業者の漁師2人がことし1月と4
月に自殺。福岡県でも5月と昨年8月にノリ養殖業者がそれぞれみずから命を
絶つという悲劇がつづいています。漁民がおいつめられていることに心が痛み
ます。一日も早く水門を開けて有明海をよみがえらせなければと思います。長
崎県では民主党が自民党、公明党などとともに諫早湾干拓事業を推進する立場
であることは残念なことです。

●松谷蒼一郎(自由民主党)
無回答

【熊本県】
●木村 仁(自由民主党)
無回答

●本田良一(民主党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 諫早湾干拓事業については、住民・漁民・自治体の意見を聞きながら、農
業・漁業の現状、防災、有明海の再生等の観点を踏まえて、今後のあり方を凍
結を含めて見直します。事業の目的の一つである防災については、潮受け堤防
の利用を含めた諫早湾周辺地域の防災対策に積極的に取り組みます。また、周
辺の漁業者から懸念が示されている漁業、ノリ養殖等への影響については、海
域の環境と水産資源に関し、中長期開門の是非を含めた総合調査を実施する
「有明海・八代海再生調査委員会」を、官僚OBを排除し、地元住民・漁民・
有識者を中心としたメンバーで設置し、速やかに原因究明を行います。

●山本伸裕(日本共産党)
問1:b 問2:b 問3:b 問4:b
 諫早湾干拓事業を中止し、抜本的な見直しを行って、有明海の再生をはかる
ことは、「待ったなし」の緊急切実な課題です。
 漁業者の中には借金のために自ら生命を絶つ人もうまれ、事態はこのままで
はさらに深刻化することが予想されます。ここまで追い込んだ自民・公明の悪
政に憤りを抑えきれません。川辺川ダム建設・諫早湾干拓事業のいずれも、巨
大開発のムダづかいです。これをあらため環境保全・再生型の、くらし・福祉
密着の政治にきりかえるために全力をつくします。中長期開門調査の即時実施
をもとめます。漁業補償を柱にした数年間の開門調査費用は農水省試算の数%
ですむはずです。日本共産党は、干拓中止へ力を合わせて奮闘します。

                                以上
                      
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