「諌早湾干拓問題の話し合いの場を求める」
   賛同者の署名を募ります。

 

2016年5月 諌早湾干拓問題の話し合いの場を求める会
なぜ話し合いの場を求めるか

国・県・市の税金の使い道に関わる市民全体の問題です


元長崎大の宮入興一教授(現関西大教授)は、干拓事業総費用2533億円の
16.6%、 421億円は県負担としています。その負担は県民一人ひとりに影響していること、福祉や教 育に投入される予算とのかかわりで私たちは考える必要があります。

干拓問題で住民間に多くの異なった考えがあります。


「昭和32年の諌早大水害と開門の関わり」「裁判闘争の目的は漁民の補償金目当てのため」
「開門によって農地はどうなるか」「ミクロシスチンの毒性について」など、見解の違いは多
くの分野に及びます。また、開門問題についての開門反対・賛成の立場からの研究者の講演会
も開かれますが、双方の根拠についてもその見方は大きく異なります。住民や研究者で異なる
見解の例を裏面(下記)にあげてみます。

 

干拓問題で住民は引き裂かれています。

「旧来の友が開門の是非で絶交状態となった」「ある人の前で干拓問題の話をすると険相な雰
囲気となる」「開門問題は仕事とのかかわりから、個人的な思いは表に出せない」など、諌早
の地域で住民間に亀裂が生まれています。干拓問題がこのように人間関係を壊す状態がこのま
ま続くことは諌早市民にとって不幸なことです。


解決の糸口は
事実や情報を共有することです。

 


住民の異なる考えをそのままにしては、将来にわたって郷土を守り育てるための活力も弱っ
てしまいます。私たち市民が干拓問題のそれぞれの分野で、事実や情報をしっかりつかみ、
それを市民間で共有することが今何よりも求められます。
そのことが解決の糸口につながると思います。

諌早のまちづくりを含めた議論も必要です。


健やかな人々のきずなと大切な自然環境のもとで暮らすことは誰しもの願いです。私たちは
、諌早をどのようにして住みよい地域にするか、干拓問題と合わせて考えたいと思います。

宮脇淳教授(北海道大学)は次のように指摘しています。「裁判という車輪のほかに企業、
教育機関など、利害関係者以外の市民が地域の将来をどうするのか、議論を進める必要がある
。裁判は、勝っても負けても地域に亀裂をもたらし、対立構図が深まってしまう」


裁判の行方は


今年の1月22日に長崎地裁は開門賛成・反対の弁護団、国に対して和解勧告をしま

したが、その内容は農漁共存・万全の防災対策を示さず、農漁業者・市民が共有で
きる方向に向かうのかどうか、協議の進展は不透明です。  


代表世話人 古賀 勝  福田 憲治    事務局連絡先 

854-0062 諌早市小船越町670-15 横林 和徳  ℡ FAX 26-6602

*****************************************************                              

 呼びかけ人 
             

池永敏彦(長崎大学名誉教授 多良見町)   尾崎正義(洋画家 白岩町)
黒田洋子(元教員 白岩町)         江島昭徳(農民 森山町)

末永次利(司法書士 東小路町)       髙谷記史(一級建築士 中尾町) 

高村 暎(元諌早高校教員 大村市久原)   富田満男(医師 宇都町)

中路邦男(本町)             福田靖宏(鏡円寺住職 髙来町)

平原健治(髙来町)           福岡洋一(長崎県展審査会員(書部)白岩町)

宮﨑正隆 (諌早自然保護協会会長 山川町)      宮地 昭(諌早社会保障をよくする会長山川町)

桃下 大(昆虫研究家・農学修士 小長井町)      山口光昭 (正福寺住職 栄田町)

山口八郎(郷土史家 天満町

他に181人(5月21日現在)

 

住民や研究者で異なる見解の例

 以下に パンフ 「諫早湾干拓問題の話し合いの場を求める」 賛同者を募ります。 


 を張り付けて、設立の経過を紹介します。

 諫早市周辺の方々を対象に「呼びかけ人」を募り、呼びかけ人が「賛同者」に署名し

 て頂き、その署名を添えて行政や関係団体に要請します。







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諫早湾干拓問題の話し合いの場を求める会 が発足しました。 20161013 更新



下記のように見解は違っても、話し合いの場を持つことが大切と考えます。


対立している事項

 


制御的開門賛成の主張

 


開門反対の主張



開門で洪水は起こるか


県議会で県は「堤防と調整池は諌早中心街の洪水としての効果はない」と答弁。
32年の大水害は高潮が原因ではなく山津波。


昭和32年の諌早大水害のようなことが起こる。我々の身になって欲しい。
今は枕を高くして眠れる。堤防は防災機能を発揮。


開門で湛水被害が起こるか


締め切り後の排水路の整備やポンプの増設で防災機能を発揮。


調整池水位-約0.5m以上で背後地に湛水が発生

681億円の工事費必要。


調整池に海水を導入すれば代替水源はどうするか


本明川下流に堰を作る。
浄化センターの処理水年間229万トンの利用。
ため池の設置も可能である。


営農用水が確保できなくなる。
浄化センターの処理水は量と質に問題がある。風評被害もある。


開門で地下からの塩分遡上や
潮風害が起きるか


同じ干拓地土質の佐賀では日頃塩害は起こっていない。
堤防内側の潮游池が遡上を抑える。
潮風害の対策は国が示している。


農業用水不足で灌漑による洗い流しはできない。
開門で塩害が起こる。
背後地でも用水不足が心配される。




漁業被害について


ノリの芽流れは5年連続(島原地区)
アサリの水揚げは昨年度に続きゼロ(瑞穂漁協)
調整池の排水が来たら一晩でアシナガダコが死ぬ。(熊本県ノリ漁民)


国において調整池内外の環境調査が行われているが、調整池からの排水が漁業被害を引き起こしているという報告は受けていない。(長崎県環境政策課諌早湾干拓課)


14年の短期開門調査の結果


海水導入後アサリの漁獲高は何倍も増えた。


アサリ等の斃死増加を確認。損失補償が行われた。

 


対立している事項


制御的開門賛成の主張


開門反対の主張



有明海のノリに使われる酸処理剤について


酸処理剤の成分で硫化水素は発生しない。
処理剤には窒素成分がほとんど含まれず、赤潮の発生にならない。


海底で硫化水素を発生させ、二枚貝などの底生生物の斃死に繋がる。
赤潮を発生させ、酸欠状態を引き起こす。



漁獲高減少の原因

漁業補償金


潮流の減速で海水と淡水が交じり合わず成層化。
調整池からのヘドロ放出による貧酸素化。
漁獲は燃料代もない。堤防外の漁民には国は事業前2割程度の減収と説明。


熊本新港や筑後大堰等の大規模工事に併行して貝類は減少した。
ノリの有機酸処理剤の使用量と赤潮発生件数には相関が見られる。
漁業者の裁判は補償金目当て。


干拓地の環境保全型農業について


環境保全型農業の前提は湖沼や海の環境を破壊しない物質循環のサイクルを維持すること。


減農薬や無農薬による環境保全型農業を実施している。
周辺農地でも野菜作り等が活性化。




干拓事業による環境の変化は


調整池の水質は国の基準に満たず、ヘドロ化した淡水が堤防外に排出され、魚介類が住めない海にしている。
調整池にはユスリカやアオコが大量発生。


ヨシ群落の繁茂や渡り鳥などの飛来、淡水魚の生息、水性生物や昆虫など、700種以上の生物種で構成される新しい生態系の形成。




調整池のアオコについて


アオコから生じるミクロシスチンは肝臓毒をもつ。
調整池だけでなく海底にも蓄積している。
食物連鎖で魚介類に濃縮される。


アオコは国内外で広く発生しており、調整池だけが特別ではない。
ミクロシスチンは各地の湖沼から検出される。




現在の干拓事業に対する基本的考え


農漁共存の干拓地。
万全の防災対策を。
自然は住民みんなのもの、干潟を観光に。
ウナギがのぼる川に。



諌早平野の宿命である高潮・洪水に対する防災と用水が確保された優良農地の確保(
長崎県 平成22年)