福岡大学学生の諫早湾ゼミ    20140903


2014年9月2日福岡大学の学生と先生、計22名で諫早湾現地研修があった。
私は現況と経過のレクチャーを受け持ったが、事前の質問事項もあり、学生諸君との有意義な議論が出来た。


以下に学生からの事前質問、当日の議論事項を。

・水門を建てる際、必要だったのは農地開拓なのか、防災なのか疑問に思った。「無駄な公共事業の象徴」という言葉が目立つが、当時、新しい農地の必要性はあったのか。

・開門して、目指す理想は、開拓以前の諫早湾なのか、農家と漁民が共存する干拓地なのか疑問である。以前のような自然を取り戻すのであれば、新しく農地になった部分は排除しなくてはならないのかと思った。

・開門することで、生態系が回復することはわかったが、調整池に息づく生き物への処置はできているのか疑問だった。農地に対する塩害はでないとのことだが、淡水でしか生きられないような生き物はどうなるのか。

・再び開門をして、また以前のように海苔の栽培などを戻すことができるのか、確証はあるのか

・九州農政局のHPによると、有明海の再生に向けて漁業者と意見交換を行っているとのことで、これまでに行われた議会の議事録を拝見すると、再生に向けた調査の内容が主であった。各議事録を拝見したものの、議事録の中では「再生」の程度が窺えるような文面を見つけきれなかった。どういう状態が「再生」と判断できるのか。それぞれの思う、「再生」の帳尻をあわせることの困難さを伺いたい。

・現在、諫早湾の問題は長期化しているが、その原因はどこにあると思うか(農民側、漁民側双方に、原因と思っていることは同じことなのだろうか)

・開門調査を行うと、再び水害などの問題が起こると言われているが、それについて漁民側はどのように考えているのか。

・1981年に湾内12漁協と長崎県で補償協定が調印。その後1986年に農水省がアセス実施。とのレクチャーがあった。
これは順序が逆ではないのか。アセスをやった後に政策が決定されて、漁業権放棄の補償をし、事業が開始する。という課程になるのではないか。

  


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